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住宅の床選びで気を付けるポイントは?2023年2月28日(火)

[住宅建材]

春の兆しも見え隠れするこの季節、来年度の準備を進めている方も多いと思います。
その生活基盤となるのが家選びですが、新築・中古住宅を購入する方もいれば、学生さんを中心に賃貸住宅選びに奔走している方も多いのでは?と思います。

そんな方々に住宅の床選びについて、ちょっとお話いたします。
皆様のお役にたてたら幸いです。それでは、本日も最後までお付き合いください。

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【目次】

1)床材の種類と特徴

 (1)木質フローリング
   ①無垢フローリング(単層フローリング type)
   ②突板フローリング(複合フローリング type)
   ③挽き板フローリング(複合フローリング type)
   ④シートフローリング(複合フローリング type)
 (2)畳
 (3)クッションフロア(CFシート)
 (4)タイル・石
 (5)カーペット
2)まとめ

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1)床材の種類と特徴
(1)木質フローリング
無垢フローリング
  無垢(むく)フローリング
 無垢フローリングとは、同じ樹種の天然の木材から切り出した一枚の板のことを指します。
無垢材をそのままフローリングに加工(単層フローリング)するため、木目や節や色むらといった木材の特性がそのまま床材となるのがこの無垢フローリングの大きな特徴です。
同じ樹種であっても、植林や伐採のタイミング、陽の当たり方や照射時間による成長度合いにより違いが出る為、似た模様はありますが、同じものをつくる事はできません。
加えて、大量ロットでの生産ではなく、原材料の範囲でしか生産できないといった面も予め理解しておく必要があります。
無垢材特有の木材のグレーディング(等級)などが存在し、同一の樹種であっても色味のコントラストやグレードによる価格にもばらつきがあります。
木材を切っても木は生きているので、湿度によって長尺が変化したり、音鳴りもしたりすることもありますが、室内を調湿したり、長持ちすることが最大のメリットです。
床の傷や凹みも床に水を含ませ、アイロンなどで蒸気を含ませると、木の繊維が断線していない限りは復元しますので、皆様も是非やってみてください。
フローリング凹み直し

 ②突板フローリング
木のスライス
 突板(つきいた)フローリングとは、合板基材などに合板基材などに0.20.5mm位のスライスした無垢材を接着剤でくっつけたもので、複合フローリングの1種です。
上記写真のように、ロータリーという大きな機械で桂剥きしたような木を薄くスライスしたものを合板等にボンドで接着します。
無垢フローリングよりも安価ですが、表面が無垢材なのでCFシートの印刷した感じよりも本物の質感に見える為、人気が高いフローリング材です。
下地である合板フローリングが縦横に直交しているため、変形・変質しにくい、品質が均一なため施工しやすく、リフォームにも使いやすい等というメリットがあります。
更には、温度や湿度にも強い為、床暖房などのフローリングとしても良く活用されたり、遮音材を施工したフローリング材として活用されたり、グランドピアノ等の重いものを置く際にも使われたりと多岐に渡って重宝されているようですね。

  ③挽き板フローリング
 挽き板(ひきいた)フローリングとは、合板基材の上に2~4mm位の無垢材を貼り合わせたフローリング材です。
表面に厚みのある無垢材を貼っている為、施工後の見た目では無垢材と思う方が大半でしょう。
基盤が合板のため、精度の狂いも少なく、木特有の歪みや反りが起こりにくい事が大きな特徴です。
そのため、床暖房の床材や遮音等級が必要不可欠なマンション用フローリングとして使用されることも多いです。
しかしながら、合板や挽き板を接着するボンドから揮発性有機化合物(VOC)が長い年月揮発する可能性が高い為、シックハウスや化学物質過敏症の方は要注意です。
特に冬場に床暖房やエアコンを多用する方は、VOCの揮発の懸念がある為既定の換気は必ず行ってください。
※参考サイト https://www.woodtec.co.jp/lab/flooring/type/

  ④シートフローリング
木目テクスチャー
 シートフローリングとは、合板基材などに木目やタイル調のプリントしたシートを接着した複合フローリングです。
近年の印刷技術の向上により本物のような木目やタイルのようなフローリングから、一見してシートとわかるフローリングまで様々なラインナップがあります。
シートフローリングの特徴としては、デザインバリエーションが豊富で品質や仕上がりが均一で施工性に優れている。
ワックスを使わずして、傷に強く、汚れが落ちやすい。
値段も比較的お買い求めしやすいものが多い。

 (2)畳
 畳とは、わらを糸で刺し固めた畳床(たたみどこ)に、陰干ししたいぐさで編んだ畳表(たたみおもて)を付け、畳の長辺二ヶ所に畳縁(たたみへり)を設け、和室の床に敷く建材のこと。
(※参考サイト http://www.house-support.net/zai/tatami.htm) 
昨今の畳事情は、カビやダニなどの繁殖を防ぐため、フォームポリエスチレンやインシュレーションボードが畳床に使われた化学畳の薄畳が主流になってきています。
逆に、藁床の自然畳は少なくなりました。
畳は、椅子を使わない日本文化を支えてきた面も強く、年配の方からは根強い人気があります。
他、スペースとしては大きくなくて良いので、赤ちゃんを寝かせるスペースや洗濯ものをたたむスペースとして使いたいという意見も多いようです。

 (3)「CFシート(クッションフロア)」
 CFシート(クッションフロア)は、合成樹脂の塩化ビニールなどを主原料としており、ビニール系の工業生産床材です。
木目調や石目調など柄や色味の種類も豊富です。水気に対して耐性があるため、オフィスや商業店舗や住宅の水回りなどでも多く使用されています。
ですが、接着剤を使って床を固定するため、身体によくない揮発性有機化合物(VOC)が継続的に出る可能性があり、換気や空調設備を整えておく必要があります。
クッションフロアは比較的に弾性があり長時間立った状態でも疲れづらいという特徴もあります。

 (4)「タイル・石材」
ベッドストーン
 タイルや石材は、水分や傷に強く長持ちする事が大きなメリットです。
石や鉱物を主とするタイルは焼成温度により違いはあるものの、環境の変化に左右されず、比較的経年劣化が少ないです。
石も含め無機物のため揮発性有機化合物(VOC)の発生リスクもない為、空気環境の汚染源にはならず、安心して住まうことが可能です。
しかし、密度が高いため、冬場や朝などの温度の低い時期は冷たいので、スリッパ等の使用は必須となります。

 (5)「カーペット」
カーペットは、一般住宅内部では後付けのカーペットやラグが主流ですが、靴を玄関で脱ぐ事務所やオフィスなどで床材として利用されることが多いです。
カーペットは、表面の毛足に埃が絡んで、掃除を行っても汚れや埃が取れづらいので、ハウスダストの影響を受けやすいのが懸念点です。
しかし、素足やスリッパが無い状態でも寒さや熱さを感じることが少なく、費用もお手軽で交換しやすい為、賃貸住宅では後から購入して使う方も多いようです。

2)【まとめ】
床材は、使う場所や目的、求めるものによってそれぞれ適した床材を選ぶことが重要です。
つまり、床材を適切に選ぶことが快適性につながるということなのです。
見た目の意匠性や居心地を求められる場合の質感、傷や汚れに対する耐性、長持ちするもの、それぞれの費用などを鑑み適した床材を選ぶことが大切です。
いくら見た目や費用面が良くても、健康被害を受けてしまう場合もありますので、床材ごとの長所や短所をしっかりと理解して、適材適所で床材を選んでください。

この記事を書いた人
株式会社トミス建設