空気のきれいな家のつくり方2023年5月16日(火)
スタッフブログ
「空気のきれいな家のつくり方」
突然ですが、
みなさんは「おいしい空気を吸ってますか?」。
この質問は、私が空気に関する資格を取得するときに講師の方から最初に聞いた言葉です。
第一印象は、「なにを言ってるんだろう。」と、正直質問の意図が分かりませんでした。
その講義が進むにつれ、
「何故私は、今までそのことに気付かなかったんだろう?」
「もっと早く教えてほしかった。」
「これからはそこで得た知識を世の中の方々へ伝えたい。」
と、思う内容でした。
まず、人間が日常の生活を行う上では、成人男性はだいたい20㎏もの空気を毎日吸っているということ。
成人の方が、一日に摂取する飲食物はせいぜい2~3㎏でしょう。
そうすると約10倍もの空気を摂取していることに気付きます。
加えて、1日に成人が摂取する83%(4/5)が空気で、全体の57%が室内の空気なので、家の中の空気環境や空気の質は言うまでもなく重要なんですね。
私個人の事でいえば、身体を気遣って塩素分の無いミネラルウォーターや農薬を使わないオーガニック食品、添加物を控えるために自宅での食事を摂っていました。
まだまだあります!
経皮毒という考え方を知り、皮膚からの毒の摂取を避けるため、シャンプーや石鹸なども気を遣っていました。
ですが、空気の方が日常生活で一番影響を与える存在であり、自分が存在している以上、飲食物や洗剤とは違って選択が出来ないという事に衝撃を感じました。
つまり、空気は選べないということです。
その場所にいれば、いやでもその空気を吸わなければいけないという事です。
では、どうしたら「空気のきれいな家」がつくれるのでしょうか?
【目次】
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1)空気のきれいな家の2つのつくり方
(1)有害物質を出さない家にする
(2)出た有害物質を取り除く
2)今現在の一般的な住宅の空気環境
3)天然素材による有害物質の除去
4)空気のきれいな家のつくり方
5)天然の木を使えば本当に大丈夫でしょうか?
6)数値で示す室内空気環境
7)まとめ
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1)空気のきれいな家の2つのつくり方
空気は目に見えません。それは、その空気が綺麗であろうと、汚かろうと見えません。
どこかのトイレの消臭の宣伝みたいに色が付いていたら話は別です。でも、そんな空気はありません。
(1)有害物質を出さない家にする
江戸時代の家は、石油由来の建材はありませんでした。
そのため、木を主体にした家が殆どで、土や紙、瓦などの身体に悪くないものだけで作られていました。
そのような家は、火を正しく使えば健康を害することはありません。
(2)出た有害物質を取り除く
ビニール製品を中心とした家であれば、家の中に石油由来の化学物質がじわじわ出続けます。
定期的に換気を行うことで、有害な物質を外部に排除し、室内をきれいに保つことが出来れば家の中は安全です。
みなさまはどちらを選びますか?
実は日本の厚労省も2003年にこの制度を法律で定めています。
それが「品質確保促進法」なのです。
つまり、2時間に1回は室内の全部の空気を交換し、きれいな外気を取り入れる制度を制定しました。
2)今現在の一般的な住宅の空気環境
でも、なんか、しっくりきませんね。
そもそも身体に悪い有害物質が家の建材から出なければ、せっかく暖めたり、涼しくした空気を入れ替える必要が無いのではないですか?
今現在では、空気清浄機メーカーやエアコン屋さんがこぞってきれいな空気が得られる宣伝を行っています。
空気の流れを色付けしてみたり、俳優さんが爽やかな笑顔で心地よい雰囲気を出してみたり。
これは、すべて不要な電気を使って、室内の快適性を買っているんですよね。
夏場には省エネとか謳ってはいるものの、本来は不要な電力であり、無駄な費用だと私は思います。
3)天然素材による有害物質の除去
実は、日本にも有害物質を取り除く天然素材があったんです。
それは、世界中で使われている素材で、世界遺産の場所でも数多く使われています。
「しっくい(漆喰)」です。
世界では5000年以上も前からエジプトのピラミッドやギリシャの「サントリーニ島」やイタリアの「アルベロベッロ」に使われており、日本では江戸時代あたりから住宅の内外に使われています。
有名なものでは姫路城や蔵に使われていますね。
「しっくい(漆喰)」の正体は、石灰岩です。
日本各地で採掘されており、今現在でも使われています。
みなさんが小さかった頃に学校で使っていたラインカーの石灰、畑の土をアルカリ性にするために撒いている消石灰などがそれです。
山で採れた石灰岩をボロボロにして焼きます。
それに水を加えると消石灰になります。
その消石灰に住宅建材としてふのりやスサ、寒水石などを加えたものが「しっくい(漆喰)」です。
使用時に水を加え、家の壁や、天井に塗りたくります。
珪藻土などとは異なり、余計なボンドや添加物は一切不要です。
漆喰は、乾く際に二酸化炭素と化学反応を起こして固まります。
そのため、家の中に塗ると、生活すると二酸化炭素が出るので、次第に堅牢な壁・天井になっていきます。
しかも、この漆喰は、有害な化学物質であるトルエン・キシレンなども吸着分解することが分かっています。
反射率も高い為、家じゅうが明るく、調湿効果や消臭効果も相まって家の中が快適になります。
ウィルスや悪い菌も減退させる効果があるので、快適性に加え安全性も非常に高いのが特徴です。
4)空気のきれいな家のつくり方
上記の通り、家で過ごす時間が長いことを考えれば、室内空気環境の質を高めることが重要です。
それには、石油由来ではない天然の木材を使い、天然素材である漆喰を壁・天井に使用し、床を木を敷き、窓は無機質であるガラス、ドアや家具は天然の木材を使ったものを選べば「空気のきれいな家」が出来上がります。
5)天然の木を使えば本当に大丈夫でしょうか?
そうなんです。
実は床の大半はフローリングを使っている住宅が最近非常に多くなっています。
フローリングの種類には、合板フローリングと無垢フローリングに大別されます。
もちろん、空気質を重要視するのであれば、無垢のフローリングを採用するのですが、表面だけ無垢材を貼っていたり、フローリングとフローリングを繋ぐために化学接着剤で付着しているフローリング(ユニ)もあります。
それを使ってしまうと、折角きれいな空気が石油由来の化学物質で汚れてしまいます。
目にはその汚れは見えませんけどね。
そのため、本当に無垢材であるフローリングを採用することをお勧めします。
中途半端な無垢フローリングでは、折角こだわった室内空気環境が汚れてしまいます。
しかも、施工する際に床にコーキングなどした日には目も当てられません。
床下から化学物質が揮発してきますからね。
では、どうすれば良いのでしょうか?
無垢フローリングの中でも、薬剤処理をしておらず、アクリル塗装や接着剤を使っていないものを採用すればよいのです。
しかも施工は、接着剤ではなく、動物の皮や骨を煮詰めて製品化している「にかわ」で接着するというこだわりの住宅メーカーもあります。
<参考サイト>
https://www.mutenkahouse.co.jp/products/wood
6)数値で示す室内空気環境
上記のように、こだわって創り上げた室内の空気環境が本当に有害な化学物質が出ていないかを確認する方法があります。
それは、室内の空気測定を行うことです。
しかも、厚生労働省が推進している方法で、安価で詳細が分かる方法がオススメです。
パッシブサンプラー法という国が推奨している測定方法で、24時間試験管のようなものを測定空間にぶら下げておくだけ。
その測定サンプラーを分析し、TVOC(トータルVOC)の量と厚労省指定の6物質にくわえ、室内空間の上位5物質が測定できます。
一般の測定方法ですと、厚労省指定の6物質しか分かりません。
それが、国の基準値に対してどうなのか?
また、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の指定化学物質が指針値を超過しているのか?
加えて、その室内の空気環境内の上位5物質にどのような物質がどれくらいあるのかを測定すれば安心ですよね。
<参考サイト>
https://j-jahra.com/%e5%ae%a4%e5%86%85%e7%a9%ba%e6%b0%97%e7%92%b0%e5%a2%83%e6%b8%ac%e5%ae%9a%e3%81%ae%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%83%a1/
上記URLより測定希望者は依頼出来るようです。
7)まとめ
このように、空気のきれいな家をつくるには、自分がしっかりと正しい情報を理解すること。
また、専門性の高いプロの方にお話しをお聞きし、空気測定が出来るかをお聞きすると良いです。
家を建ててからでは、なかなか空気を良くすることは難しいですからね。
この記事を書いた人
株式会社トミス建設(屋号:自然素材ハウス)