戸建住宅の外壁について2023年8月16日(水)
スタッフブログ
ここ最近、残暑の続いており、暑さが厳しい状況となっていますがみなさまはいかがお過ごしでしょうか?
私事ですが、私はこれだけ厚いと休みの日もなかなか外に出る気がしません。
クーラーもなかなか効かないのは、クーラーの性能なのか?暑さが厳しいからなのか?
今回は、家の涼しさを求め、外壁に焦点を当て、お話したいと思います。
【目次】
1)外壁の歴史
2)外壁の種類及びトレンド
3)外壁材ごとの費用
4)外壁のメンテナンス
5)まとめ
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1)外壁の歴史
江戸時代後期から明治時代までは、土壁や板張りの壁造りの家が多くありました。
江戸時代には土壁が主流となっていたため、左官技術が発達していきました。
明治時代は西洋文化の影響も受け、モルタルやコンクリートなどの湿式壁の材料を使った壁が人気
がありました。
大正時代は、震災や大火事が発生し、そんな背景もありモルタル壁が普及していきました。
第一次世界大戦、第2次世界大戦中には、数々の空襲を受け、モルタル壁の防火性能の重要性が
更に認知されていきました。戦争終了後の高度経済成長期には、無くなった家を早く、たくさん、安く
作らないといけなかったため、昭和40年代から窯業サイディングが使われ始め、プレハブ住宅が普及して
行きました。
その後は、現在の数多くの種類の壁材が、現代の環境、ニーズや志向によって増え、広まっていったようです。
2)外壁の種類及びトレンド
上記の表にもある通り、主要たる壁材の種類と特徴、金額等をまとめてみました。
国内シェアでいえば、窯業サイディングが現在の日本の壁材として約8割前後を占めており、
金属サイディングを加えるとサイディングのシェアは9割ほどに高まります。
その背景には、機能性の高さに加え、施工性にも大きく関係してまいります。
ということは、工期短縮にもつながりますので、コストにも影響が出ることは言うまでもありません。
他は、昔火事の多発からモルタル系の外壁が6%前後のシェアとなり、他はそれぞれ1%前後となります。
昔は、素地の色が外壁の色になっていることも多かったですが、高度経済成長期以降は、素材に色を
つけた塗料及び壁材も出てきております。最近では黒色の住宅が増えていますが、家がスタイリッシュに見える効果もあって
最近の流行りのようですね。もちろん、太陽光を吸収することを考えれば採用しないほうが良いのですが、採用の背景には
断熱材効果の向上やZEHで電気代等も実質かからないようなことも関係しているかもしれません。
【参考サイト】一般社団法人日本窯業外装材協会
https://www.nyg.gr.jp/toukei/index.html
3)外壁材ごとの費用
金額についてみていきましょう。
まず、窯業系サイディングと金属サイディングでは、断熱材の有無が金額に反映されているくらいで、
@3,000円~4,000円/㎡くらいとなります。他の壁材と比較しても、一般的には初期費用は比較的選択しやすい
ものとなります。
一番お求めやすいものは、吹付外壁で@1,000円/㎡~となります。ですが、住宅密集地での吹付塗装を
行うと車や洗濯物などに付着するリスクがあること、また、メンテナンスの周期が短いことも加わり、敬遠する要因となっているようです。
更には、施工ニーズの減少に伴い、職人不足にもつながっているようで、選択する方もそうですが、採用する
メーカー工務店も少なくなってきているようですね。
昔、非常によく使われたモルタル外壁や漆喰壁等は、年配者にもいまだ人気があるようで、ばらつきはあるものの@3,000円~10,000円/㎡
となっています。こちらは、モルタルを下地として使用し、その上の仕上げ材により金額格差があるようです。
材料の違いもありますが、職人による技術格差、施工スピードも金額に比例するようですので、採用時には依頼先に詳細をお聞きすることをお勧めいたします。
ALC外壁は、気泡を多く含み軽量であるため、断熱性や耐久性、省エネ性などの機能面が非常に高いことが大きな特徴です。ですが、防水性に乏しいため、
塗装を行う必要がありその分費用が高くなっています。ですが、コストパフォーマンスでは、上記機能面が非常に高いので、@7,500円/㎡~という金額は妥当で
はないかと思います。
最後にレンガ・タイルですが、材料にかかる時間とコストが高い上、運送の距離にもよりますが輸送コストも高くなる要因です。
最近では、壁にレンガ調タイルをある程度の面で作っておき、壁に引っ掛けるようにしてレンガ造りの施工をして費用を落としているメーカーもあります。
特徴としては、耐久性、耐水性、耐火性、長持ちなどの面で優れており、加えて重厚感も非常に高いので、富裕層の方には絶大な人気があります。
その分材料費用、輸送費用、施工費用等の影響を受け、@16,000~30,000円/㎡と桁が他とは異なります。
4)外壁のメンテナンス
上記までは、材料を選択する際に必要であった情報ですが、ライフサイクルコスト(生涯維持等にかかる費用)も非常に重要なものとなります。
具体的にはメンテナンスをどのタイミングでどのような手法で行うか?です。
パネル形式の壁材(サイディング、ALC板等)であれば、パネルとパネルをつなぎ留めておくコーキング(シーリング)が紫外線や寒暖や水分による資材収縮、
化学物質の揮発等などの影響を受け必ず劣化します。それを取り除き、新しいものに交換する必要があります。
家の外壁全体となるため、交換作業には足場が必要不可欠となり、大型のメンテナンスが必要です。コーキングにも耐久期間が種類によってさまざまなので、
保証期間含め壁材とは別にどのようなものを採用するかを考えましょう。
吹付塗装の外壁は、塗料をふきつけているので、塗料が劣化すればぽろぽろと落ちてきます。それをメンテナンス時期にローラー等で塗布し、色褪せ・防水効果を
改善します。
モルタルやレンガ・タイルは基本汚れが気にならなければメンテナンスはあまり必要としません。ですが、コンクリートの耐久年数の超過や建物の揺れによるクラック
が発生した際には水の入り込みが起こってしまうため補修等を行う必要があります。直接的に建物内に水が浸入することはありませんが、凍害による割れや
壁体内の劣化につながる恐れがあるので、メンテナンス期間中の定期点検は実施したほうがよいでしょう。汚れは高圧洗浄機を使い表面剥離が起こらないように
配慮しながら行えば、業者を使わずメンテナンスを行うことが可能です。
5)まとめ
以上、壁に関する内容をお話いたしましたが、皆様はトータル的に見て何が良かったでしょうか?
上記に書いてある内容は、メーカー、工務店でも取り扱い種類もことなりますので、資料請求やお問合せをして確認いただくことを強くお勧めします。
その理由として、外壁はわたくしたちが想像をするよりも過酷な状況下に置かれています。
結果として時間の経過とともに汚れや不具合もでてくるでしょう。
表面的な内容だけで進めてくる営業マンの言葉よりも、実際に建てたお施主様の口コミやOB宅訪問が可能なのであればお話しをお聞きしたほうが良いです。
意外と営業マンよりも壁材特性や状況を理解しているかたも多いですし、実体験から役立つ情報も多いですからね。
色やデザインを優先項目で上げることに否定はしませんが、住宅にかかる生涯コストを考えると初期費用の金額だけで選択するのは、
内部の寒暖にも影響を及ぼしますし、機能的な面も大きく異なるため、それぞれの特徴及び費用等を俯瞰してみる必要があるといえそうです。
専門性の高い内容で、種類・特徴・費用もことなるので、必要があれば下記URLよりお問い合わせください。
【問い合わせフォーム】
https://natural-house.co.jp/inquiry/
この記事を書いた人
自然素材ハウス