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家の快適性には6つの要素が必要2023年8月31日(木)

スタッフブログ

みなさまが家の中の快適性を高めるために行っていることはなんでしょうか?
空気清浄機を置くことでしょうか?また、アロマを焚いて匂いから得る癒しでしょうか?
特に何もしていないという方もおられるでしょう。
母子団らん

今現在の住宅は、昔の夏型の住宅とは異なり、冬型の温かい家にシフトしてきています。
その背景には、冬、家の中が寒くてヒートショックで亡くなってしまう方もおり、断熱性能や機密性能の向上とともに温かい家を国が推奨してきていることも起因しています。
住宅性能が乏しい高度経済成長期は、断熱材というもの自体を採用していない建物もあり、住宅性能の向上とともに温かい家になってきました。

するとどうでしょう。
家の中の暖かさは向上してきましたが、その反面体調不良を訴える方々も増えてきました。
これがシックハウスです。

今日は、住宅内部の快適性を高めるための機能を備える家づくりについてお話したいと思います。

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【目次】

1)住宅の快適性とは
 (1)温熱環境
 (2)明暗
 (3)音環境
   ①自宅内で自分や家族が立てる音
   ②家の外からの音
   ③室内に響く音
 (4)振動の有無
 (5)空気環境
 (6)匂い
2)快適性を高めるためには
3)おすすめの家づくりとは
4)まとめ

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1)住宅の快適性とは

日々の時間の大半を過ごす自宅での快適性はいろいろあります。
様々なサイトで快適性の定義があやふやな部分もありますが、当社では、下記の通りだと考えます。
 (1)温熱環境
 (2)明暗
 (3)音環境
 (4)振動の有無
 (5)空気環境
 (6)匂い
上記の通り、人の五感を刺激する要素が快適性に直結しています。
つまり、上記の6つ要素が整っていれば快適と感じるのです。

現在の日本の住宅は、温熱環境ばかりに着目されていますが、他の要素も非常に重要です。
もちろん、温熱環境は非常に大事な要素の一つですが、それだけでは快適性が高いとは言えませんよね。

次項では、家の快適性を要素分解し、なぜその要素が重要なのか?
また、どうやって快適性につなげるのか?をご説明して参ります。

 (1)温熱環境

昔の日本の住宅は、夏に対する快適性を高めるために造られていました。
当然、昔は電気もなければ、ガスもありませんでしたので、火を使って明かりをとったり、暖を取ったりしていました。
そのため、太陽の日差しを主たるエネルギー源として活用していたため、日常生活は、当然日中に活動が活発であったことは言うまでもありません。

夏の暑さを凌ぐために、家の造りには日を遮るために庇を設けたり、外の地面に打水をしたりして温度を下げる工夫を行っていました。
また、家には風通しの良い窓を設け、簾やうちわ等を使い、風を利用して涼をとっていました。

反対に、冬の寒さを凌ぐためには家の工夫はあまり出来ていませんでした。
雨風が吹けば隙間から冷気が入ってきます。
暖を取るには、火鉢の炭の暖かさや薪をくべ火を着けるなどして寒さを凌いでいたようですね。
衣服や布団もさほど温かいですが、今とは比べ物にはならない程の品質でした。

第2次世界大戦後の高度経済成長期に石油製品が使われ始めますが、それでも家の壁に断熱材が使われることなく、お風呂上りの温度の寒暖差でなくなってしまう方も多かったです。

【グラフ】地域別冬季死亡割合
※出典:健康・省エネシンポジウムX配布資料

このように、定常的に寒い地域である北海道や青森の積雪地域はその対策が出来ているために死亡数が少ないといえるようです。
このことを理由に、日本の住宅は冬型住宅へシフトしていくようになります。
それが高気密・高断熱化です。
外部と住宅内の隙間が少なく、気密性が高い環境を高気密といい、外部の影響を受けにくくするための断熱材を施し、家の中の温度が外気に左右されない環境を高断熱といいます。
今現在の日本では、地域別に基準値(指針値)を決め、その指針値に近づけるよう各住宅メーカーや工務店が日々努力しています。

 (2)明暗

昭和初期の人々の生活は、戦争で食べ物もままならない状況で、電気ももったいないと夜間は手元の電気くらいしかつけず生活していたようですね。
今では、夜間電力のエネルギー確保が出来ているため、夜間に電気をつけないという家庭はあまり無い状況ですが、癒しを求める際の間接照明や空間全体を照らすための明るさなど、状況に応じて明るさを変えることが多くなってきています。
それは、照明は色や明るさによって、人に心理的な効果を与えるからです。
マンションなどでは、室内に外部の光がなかなか行き届かないため、日中でも電気をつける家庭がありますが、明かりの使い方で快適性も大きく変わるため、使い方を工夫する必要があります。

 (3)音環境

家の中の音の問題は、人それぞれで感じ方が大きくことなります。
交差点や踏切の近くに昔から住んでいる人は、あまり気にならない方も多く、物音ひとつすると眠れないという方もおられます。
とある建材メーカーの調査によると40%前後も気にしている方がいるようです。

※下記参考サイト参照
https://www.daiken.jp/buildingmaterials/sound/basicnoise/

音に関する家での不満は、
①自宅内で自分や家族が立てる音
②家の外からの音
③室内に響く音
のようです。

音は、単純に外からの音を遮ればよいのではなく、実は室内から出る音の方が影響が大きいのだそうです。
しかも、単純に吸音すればよいのではなく、ある程度の聞き取りやすい残響時間というものが必要とのことです。

それは、内部から外部へ漏れる音を防ぐ遮音に加え、室内でその音を吸音する形が理想とのことです。
昨今の住宅は、外部への音漏れについては性能が高まって来ていることに加え、サッシの等級も上がってきているため、どちらかというと内部の音問題の方が日常生活に影響がでるので気を付けたいものですね。

 (4)振動の有無

建物の揺れは戸建て、マンションでいうと圧倒的に戸建て住宅の振動相談の件数が多くなっています。
これは、建物の構造が戸建ては木造軸組み工法の採用が圧倒的に多く、マンションは、鉄筋コンクリート造の造りが多いことも影響しているようです。
加えて、2階建てと3階建てを比較してみると階数の高い3階建ての方がさらに影響が強いようです。

参考サイト
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/61/10/61_671/_pdf

振動における解決手法は今現在、ハウスメーカーや工務店サイドに対応を委ねているところがまだまだ多いですね。
建物を新築で建てる場合や、分譲・賃貸で家を探す際には、このような部分にも気を付けながら検討しないといけません。

 (5)空気環境

この項目は、実は一番の盲点です。
その理由は空気には色がなく、匂いは人によっては嫌いな匂いもいい匂いと感じることがあるから細心の注意を払って考えるべき項目です。
匂いは化学物質であり、天然と人口と2つに大別されます。
新築住宅で「新築の匂いがする」という言葉を耳にしたことが一度はあるでしょう。
これは実は石油由来の人口の化学物質の匂いであることが多いです。
さらに衝撃なことをお伝えすると、桧や杉においても天然の化学物質を揮発しており、虫はこの匂いを嫌います。
そのため、人にとっても影響の度合いが異なるだけで、決していいものではないのです。

人口の化学物質は、天然の化学物質と比べてみるとじわりじわり室内に漂い出し、長期に渡って揮発します。
逆に、天然の化学物質は、1か月もすると1/10になるようなものもあります。

昨今の住宅は、気密性・断熱性が高い住宅が増えてきているため、室内に揮発する化学物質を2時間に1回全交換しないと人体への影響が出てしまいます。
これは、厚生労働省が定めているものであり、これを促進するために2003年に24時間換気システムの設置義務が為されました。
これ、おかしくないですか?
折角、室内を冷やしたり、暖めたりしたものを2時間に1回全交換しないといけない。なんて。
実は、事の大小はどうであれ、家の中の見えない汚れに体が蝕まれているのです。
これを安全な状態にするために、気密性と断熱性と言っておきながら換気でごまかしているのです。
本来であれば、このような人体に影響を及ぼす建材使わずに家づくりを行えば事は済むはずなのに。

身体に安全・安心な建材を使って、家づくりを行えばエコにもつながり、健康にもつながる。
ぜひ、このような建材を使って家づくりを行ってください。

 (6)匂い

人は、匂いを身体に摂取するのに鼻腔を通って感じています。
この匂いについては、非常に奥が深く、昔から使われている脳である大脳辺縁系で感じ取られています。
ですが、物事を考えて行動に移そうとする指令は大脳新皮質が司っており、過去の経験や人からの教えに基づき適正な判断をしています。
匂いは動物の本能で感じるものなので、家の中にいやな匂いがあると非常にストレスになるようです。
トイレがそうですよね。
だいたいの家がトイレには消臭剤や芳香剤が置かれておりますが、永久にその効果が持続するわけではありません。
定期的な交換や対応が求められます。

2)快適性を高めるためには

理想を言えば、上記6項のすべてを満たすことですが、日常的によく使う空間や、寝室などは必要な要素を満たしたいものです。
特にリビングは、家族のだんらんをする場所の代名詞の空間です。
その空間で必要なものは、
 (1)温熱環境 
 (4)振動の有無
 (5)空気環境
 (6)匂い
かと思います。

寝室は、基本眠るために存在している空間のため、
 (1)温熱環境
 (2)明暗
 (3)音環境
 (4)振動の有無
 (5)空気環境
 (6)匂い
と、全ての要素が求められそうです。

参考サイト
https://www.mutenkahouse.co.jp/nemureruie/

共通している項目は、(1)温熱環境 (4)振動の有無、(5)空気環境、(6)匂いとなりますが、上記を満たす建材及び造りでまかなえるものでしょうか?

 (1)温熱環境:断熱性能を強化することで対応は可能
 (2)明暗:照明・壁・天井に使う建材により対応可能
 (3)音環境:防音材・吸音材等の使用で対応可能
 (4)振動の有無:耐震・制震・免震構造で対応可能
 (5)空気環境:調質・VOC低減、ウィルス不活化、二酸化炭素吸収などを行う漆喰で対応可能
 (6)匂い:消臭剤や消臭建材で対応可能

上記の通り、全ての項目を満たすことは可能です。

3)おすすめの家づくりとは

上記の通り、上記6項を備える家が理想の住宅ですが、すべての機能性を整えている住宅は非常に少ないです。
それは、上記の要素が家づくりの必要不可欠な要素としてとらえていない住宅メーカーや工務店が大半だからです。
特に、空気環境は住宅メーカーではなく、電機メーカーに任せており、分業しているから本質的な家づくりにはなっていないものが多いのです。
この空気環境は、見えない特性のため、住宅メーカーはほとんど意識していません。
特にローコストメーカーは全くと言っていいほど気にしていません。
コストを抑えるために行った結果、シックハウス症候群やそれよりもさらに酷い化学物質過敏症を発症してしまう方がおられます。
アレルギー体質の方が増えていることもこの住宅の空気環境が影響していることでしょう。
先にお伝えした通り、昔の住宅は確かに寒くて、暑い家でした。
ですが、健康被害を被ることはありませんでした。
漆喰がすべてを解決するわけではありませんが、接着剤を使用しない漆喰を使った住宅では、アレルギーの発症が軽減されたり、化学物質過敏症の方でも安心して住まうことができる家を提供することができます。
皆様それぞれが求める要素が異なると思いますが、健康を害する家だけにはならないようお気を付けください。

4)まとめ

昔の家は断熱材もなく、夏型に造られた家づくりであったため、風通しが良い反面冬厳しい環境でした。
高度経済成長とともに家のつくりが次第に変わり、寒さでなくなることも大きく減少してきています。
その反面、気密性・断熱性が高まり、室内の空気環境が悪くなり健康被害を被る方が増えてきていることも事実です。
快適性には6つの要素が必要不可欠で、特に室内の空気環境に配慮した家づくりを行うことで健康にも配慮した理想の家づくりが可能になるでしょう。

快適性の高い家づくりのご相談は、こちら
https://natural-house.co.jp/inquiry/

この記事を書いた人
自然素材ハウス