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しっくいとは2023年10月30日(月)

スタッフブログ

今回は、本日は住宅内装建材を中心に使われている『漆喰(しっくい)』について客観的視点でお伝えしたいと思います。

【目次】
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1)漆喰とは
2)漆喰の歴史
3)漆喰の使用用途
(1)フレスコ画
(2)接着剤
(3)壁材
(4)瓦屋根の雨水侵入を防ぐ
4)漆喰の特徴
(1)ウィルスを不活化
(2)調湿機能
(3)消臭効果
(4)VOC吸着効果
(5)省エネ性能
(6)抗菌作用
(7)二酸化炭素:CO2を吸収
(8)形状も問わないデザイン性
(9)部屋が明るくなる
(10)太陽光の反射
(11)耐火性能
(12)動植物の環境に良い
(13)静電気を帯びにくい
(14)メンテナンスが楽

5)まとめ
6)問合せ
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1)漆喰とは

漆喰とは、石灰石(炭酸カルシウム)という鉱物を焼成(生石灰)・消化してできる消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とし、建築材料としてスサや骨材や糊成分を加えたものです。世界各地で使用されており、住宅様式や気候風土などに合わせて世界各地で組成が異なっており、主に建築物の内壁、外壁の仕上げや屋根瓦の目地充填などに使用されることが多いです。
左官職人による鏝(コテ)塗り作業他、手・刷毛・ローラーなど様々な道具により施工される機能性を持った左官材料です。
元々は、「石灰」と表記されていたもので、漆喰の字は当て字が定着したものです。(sekkai ⇒shikkui)

原料となる石灰石の元は海に生きる珊瑚礁で、数億年の時を経て地殻変動をくり返しそれが地盤となり、世界各地の鉱山で採掘されています。
その結果、世界各地で漆喰が使われた理由なのです。

[参考サイト]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%86%E5%96%B0

2)漆喰の歴史

漆喰の歴史は非常に古く、古代エジプトのピラミッドを形成する際に石と石のつなぎとして使われており、その結果、5000年以上も経過した今でも存続していることにも大きく寄与しているようです。
日本での漆喰の歴史は、約1,300年前(西暦700年頃)と言われています。
これには次のような理由があります。
古代エジプトが漆喰を使い始めた起源の場所であり、その地中海近郊である地域でも後に世界遺産となるイタリアの『アルベロベッロ』やギリシャの『サントリーニ島』などでも利用させてきました。
後にヨーロッパからシルクロードを経て中国・朝鮮半島にたどり着き、仏教と共に西暦550年ごろにようやく日本に渡って来たのです。
そのため、日本で漆喰が使われ始めた時期が西暦700年ごろなのですね。

<漆喰の伝来ルート>
漆喰伝来ルート

3)漆喰の使用用途

(1)フレスコ画

  とは、壁に新鮮で生乾きの状態の漆喰を塗り、それが乾かない間に水で溶いた天然の顔料で描く手法で、中世ヨーロッパや古代ローマ時代の作品が有名です。
  もともとは、イタリア語で「新鮮な」という意味ですが、漆喰が乾燥する過程で顔料が定着していくので、絵画が劣化しにくいという特徴があるんです。
  そのため、何千年ももつんですね。
  しかし、塗りなおしができないことや乾かない間に完成しないといけないため、高度な技術が必要のようです。
  
【参考動画】フレスコ画 https://x.gd/TbSKJ
フレスコ画 フレスコ画

(2)接着剤
エジプトのピラミッドの石と石を積み重ねる際に焼いた石灰(生石灰)に水を混ぜて接着剤として活用し、石の倒壊防止や長持ち効果に大きく貢献していたようです。

【参考サイト】 https://x.gd/k8ZD1

ほかにも、ローマにある『パンテオン』は、無筋コンクリートでできた世界最大のドームといわれており、2000年経った今も強度を保っている。
古代ローマで使われたコン(3)壁材クリートは、セメントおよび火山灰を主成分としており、現代コンクリートの倍以上の強度があったとされている。

これが現代含め一番使用用途して使われています。
日本では、姫山に作られた姫路城が有名ですね。
この地域一帯でひと際高く、天から見下ろすかのような建築で、大天守を筆頭に城の外壁や屋根瓦の目地を白漆喰で塗られ、あたかも白鷺(白いサギの総称)のように見えることから、親しみ込めて「白鷺城」と呼ばれるようになったようです。
外壁に漆喰を塗布することで、防火材としても効果を発揮し、戦争時の弓矢には期待以上の効果を発揮したとの事。

<姫路城>
姫路城

(4)瓦屋根の雨水侵入を防ぐ

瓦屋根に施される主な目的として、葺き土保護のために雨水を浸入させないことがあります。
漆喰は主に瓦屋根の最上部や山になる部分にある「棟瓦」の施工に使われています。
棟瓦と平部の瓦の隙間(面戸と言います)を埋めているもの、棟瓦を見上げたときに見える半月型の白いものが漆喰です。
また、一般的には棟に使用されている漆喰ですが、昔ながらの土葺き工法による瓦屋根の場合、軒先の隙間を埋めるために使われているケースもあるようです。

<瓦屋根イメージ>
瓦屋根

4)漆喰の特徴

漆喰の原料は石灰石であり、他の力を借りず自身の特性で二酸化炭素と化学反応を起こして固まります。
つまり、元の石灰石に戻るということです。
その効果を下記に記載しますので、ご確認ください。

(1)ウィルスを不活化
ウィルス不活化

(2)調湿機能
調湿性能

(3)消臭効果
消臭効果

(4)VOC吸着効果
VOC吸着

(5)省エネ性能
省エネ性能

(6)抗菌作用
抗菌性

(7)二酸化炭素:CO2を吸収
CO₂吸収

(8)形状も問わないデザイン性
デザイン性能

(9)部屋が明るくなる
部屋が明るい

(10)太陽光の反射
太陽光反射

(11)耐火性能
太陽光反射

(12)動植物の環境に良い
ペット安心

(13)静電気を帯びにくい
静電気帯びにくい

(14)メンテナンスが楽
簡単メンテ

以上、このような特徴があります。
漆喰は単純な壁用建材としてだけではなく、機能的な側面である特徴が数多くあり、
住んだ後も快適に過ごせる理由もこれだけあると非常に頼もしい存在ですね。

6)まとめ

漆喰は、伝統的な自然素材であり、日本だけに留まらず世界で使用されている建材です。
使用用途もそれぞれの地域や時代に合わせ異なりますが、長きに渡って使われてまいりました。
特に世界遺産になっているものには漆喰が使われていることが多く、その特徴や性能がその理由となっています。
住宅建材で使用いただくと、長持ちすることはもちろんのこと、機能的側面が長きに渡って享受できることも大きな魅力の一つですね。

7)問合せ
本ブログにご質問やご意見、またご注文等ある方は下記URLよりご連絡願います。
https://natural-house.co.jp/inquiry/

この記事を書いた人
株式会社トミス建設(屋号:自然素材ハウス)