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自然素材ハウスの「自然素材」の魅力~その4~(米のり)2024年6月24日(月)

スタッフブログ

ご飯は安全な接着剤(食べられる家の秘密)

自然素材ハウスが手がける無添加住宅では、化学接着剤は一切使用いたしましません。
壁や天井はビニールクロスを使わずに漆喰を塗るということは以前ご説明した通りです。
現代の住宅においては、ビニールクロスを貼るためだけではなく、様々な用途で接着剤が使われます。例えば室内のドアや、造作家具等に使われる合板などが代表的なものとなります。
ドア等の建具は1枚板を使用すると重量が重すぎるのと温度や湿度で反ったりすることがあるため合板を使用いたします。「合板(ごうはん)」とは、木を薄く剥いたものを乾燥させ、単板の繊維方向(木目方向)を1枚ごとに直交させて貼り合わせたものです。自然素材ハウスでは、合板を接着する時にも接着剤ではなく、ご飯を練って作る『米のり』や『ニカワ』を使用しています。
本日は、なぜご飯粒で木が接着できるのか?そのメカニズムについてお知らせいたします。

ご飯で木が接着できるメカニズム

樹木からセルロース分子鎖までの階層構造
(出所:「脱炭素・循環経済の実現に向けたセルロースナノファイバー利活用ガイドライン」環境省)

米のα(アルファ)化、β(ベータ)化とは?

お米にはエネルギー源となるでんぷんが含まれています。このデンプンには2種類あり、熱を加えて柔らかくなった(糊化)状態をα(アルファ)でんぷんと呼んでいます。これに対して、炊く前の米や冷やご飯の状態になることをβ(ベータ)でんぷんと呼びます。

米のりに接着力が生まれる訳

熱によってアルファ化したでんぷんは、冷えて固まる(ベータ化)とセルロース、つまり木と同じような成分に変化します。このでんぷんの特徴を活かし、木と木を接着する際に米のりを使用すると、気温や湿度によって多少木が膨張したり、収縮したとしても米のり自体が木と一体化し、剥がれにくいという特長があります。

米のり接着剤の寿命は?

米のりの寿命は長く、室町時代(1336年~1573年)に米のりで接着され作られた仏像が現存していることも知られています。
対して、化学合成接着剤はおよそ20~30年で劣化すると言われています。室内のビニールクロスなどが?がれてくるのは、貼り付けるときに使用された化学合成接着剤の寿命を迎えたことが原因なのです。様々な建材に化学合成接着剤が使われている現代の木造住宅の寿命が約30年と言われているのは、このことが理由となっていると考えられます。

米のりのデメリットは?

いいことづくめのような米のりにも欠点があります。前述のように米のりとは炊飯したご飯が冷えて固まった状態なので、米のりの接着部分に直接水がかかると強度が下がってしまいます。そのため、水回りで使用する時は米のりではなくニカワを使用しています。
また。米のりは化学物質を使った瞬間接着剤ではないので、接着するまで1日以上かかります。

無添加住宅博物館

米のりは、身近に手に入る天然の接着剤として古くは室町時代から使われてきました。
自然素材ハウスのモデルハウス「横濱無添加住宅博物館」で使用されている建具も、もちろん米のりで接着しています。モデルハウス内の仕様は全て無添加住宅仕様。新築時から8年の時を経てますます魅力的に経年美化した無添加住宅を是非ご体感ください。

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