自然素材ハウスの「自然素材」の魅力~その7~(伝統を受け継ぐ無機顔料)2024年9月2日(月)
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自然素材ハウスの無添加住宅では、天然素材のみを使用し、化学物質を一切排除した清潔な空気と無垢材の温かみが特長です。
しかし、さまざまなニーズに応じて、無垢材に塗料を施し、防水・防虫・防腐の効果を高めながら、異なる風合いを楽しむこともできます。
本日は、伝統的な無機顔料「弁柄(ベンガラ)」をご紹介します。
弁柄(ベンガラ)とは?
ベンガラは、天然の酸化鉄から得られる赤色の無機顔料で、世界最古の顔料の一つです。
フランス南西部のラスコー洞窟に残る約17,000年前の壁画にも使われています。 日本には中国から伝わり、縄文時代には赤色のベンガラが埴輪や土器に用いられていました。
青森県にある三内丸山遺跡からは、約5,500年前の赤漆を施した土器が発見されています。
ベンガラは、やがて建築塗料としても使われ、京都の『紅殻格子(べんがらごうし)』に代表されるような、落ち着いた赤茶色の建築装飾に活用されています。
伝統に根ざしたベンガラ製品
ベンガラは、日本の暮らしに深く根付いた素材で、その高い品質から、陶磁器の模様書きや漆器の下塗り、家具の塗装、家屋の塗装、染料、朱肉、船舶の錆止めなど、幅広い用途で使用されてきました。
柿渋と混ぜることで、防水、防虫、防腐効果がさらに向上します。
ベンガラの特徴
紅殻または弁柄とも表記されるベンガラは、古代から使われてきた顔料の一つです。
自然素材ならではの風合い
ベンガラは、自然素材ならではのやさしい色合いや風合いが特徴で、ペンキでは表現できない独自の質感があります。
自然素材ハウスでは、漆喰に混ぜたり、無垢材に塗装することで、内壁や木材に自然なアクセントを加えています。また、時間の経過とともに自然素材特有の変化を楽しむことができます。
ベンガラの色数ラインナップ
ベンガラは、主成分である酸化鉄がもたらす赤茶色が特徴ですが、調合や焼成温度によっては、褐色や黒色、黄茶色など、さまざまな色を作り出すことが可能です。京都で見られる『紅殻格子』はその代表例で、和風デザインとの相性が良く、京都の古き良き景観に調和しています。
身体に優しい素材
ベンガラは無機顔料であり、余計な添加物が含まれていません。水に溶けないため、塗装には有機溶剤が必要ですが、シンナーの代わりに焼酎のアルコールや豆乳のたんぱく質を使用して色付けします。これにより、刺激臭がなく、施工者や住む人にも安心で安全な塗料が提供できます。
経年劣化しにくい
顔料は「有機顔料」と「無機顔料」に大別されます。有機顔料は石油由来の合成顔料で、一方、無機顔料は天然鉱石や金属の化学反応から得られる酸化物などで作られます。無機顔料であるベンガラは、耐候性や耐久性に優れ、経年変化が少ないのが特徴です。
このように日本の暮らしにも古くからなじんでおり、有名な陶磁器、その他家具塗装、家屋のベンガラ塗り、染料、朱肉、船舶錆止めなど、非常に広範囲なものに使われてきました。 そんな長年の間愛され続けてきたベンガラの独特のカラーは、日本人のこころの奥底に残る故郷を彩る、懐かしい色の一つなのかもしれません。
ベンガラを色付けした家をご覧になりませんか?
自然素材ハウスの無添加住宅博物館では、無垢材にベンガラで色付けした建具や家具をご覧いただけます。モデルハウス内の仕様は全て無添加住宅仕様。新築時から8年の時を経てますます魅力的に経年美化した無添加住宅を是非ご体感ください。
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この記事を書いた人:株式会社トミス建設(屋号:自然素材ハウス)
自然素材ハウスの「自然素材」の魅力
・その1「無垢材」
・その2「漆喰」
・その3「炭化コルク」
・その4「米のり」
・その5「柿渋」
・その6「天然石の屋根」
・その7「伝統を受け継ぐ無機顔料」